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マンション傾き問題から見えてくるもの

分譲マンション

横浜市の分譲マンションが傾き、原因を調べると施工データの改ざんされ、杭の一部が必要とされる強固な地盤まで届いていなかったことが分かった。

物理的な原因はもちろんそういうことで修繕されなければならないが、再発を防ぐためにはその直接的な原因を生み出した施工管理システムを再確認し、担当者の行動心理にも目を向けることが鍵になるであろう。

事業(施工)の構造

まずは、事業(施工)の構造を整理しておく。

事業主:マンション分譲会社(ディベロッパー)

施工会社(元請け)

杭工事会社(下請け)

杭工事施工会社(孫請け)

施工データ偽装の弁明から推測する

それぞれが名の通った一流企業である。当然施工能力は十分なはずである。それがなぜこのような事態になったのか、担当者が語った偽装の理由から問題を掘り下げてみる。

1.インフルエンザで休んだ

2.データを取り忘れた

3.スイッチを入れ忘れた

4.記録紙が水に濡れた、泥で汚れた

インフルエンザで休んだ → 施工体制と管理体制の問題

補充要員はいなかったのか? 
管理者不在のまま、現場の作業だけが進んでしまったのだろうか?

業務を組織に、そしてブランドのある会社に頼むのは、層の厚さ・バックアップ体制・信頼性に期待しているからである。ただし、いくら大企業でも個別の仕事は突き詰めれば最小単位である個人が行う。ということは管理が必要不可欠だ。

担当者の報告義務違反と同時に、日々の人員管理がされていなかったという組織の体制に問題がある。社内だけでなく元請け・下請けによる管理も不十分である。

2・3・4の事象 → 物理的ミス、報告義務違反、~ 心理的要因による改ざん

ミスを犯してはならないが、ミスが起きる可能性は0ではない。ならば、ミスが起きてしまったときにどうするかが重要なのではないだろうか?

データを取り忘れたことが気づいたら、作業を中断し、管理者に報告・相談し判断を仰ぐ。管理者はそのことを上位組織に報告する、ということが基本であろう。

ミスを犯すより怖いのは、そのミスを隠してしまうこと更には改ざんしてしまうことだ。そのことによりより深刻な状態を陥ってしまう。今回がその最たる例だ。

ではなぜ、ミスを隠そうとしてしまうのか? それは当事者の心理を探らなければならない。

ミスを隠そうとする心理

一般に自分のミスを言い出しにくい理由として、次のようなものがある。

  • カッコが悪い
  • ペナルティがある
  • 評価が下がる
  • コスト、納期に影響する

まずは自己保身のためだ。だから、ミスそのものが無かったことにしてしまう。今回の当事者はベテランということだが、だからこそ余計ミスした事を言い出せなかったのではないだろうか。立場が上がるほどその心理的ハードルは高くなる。本来は、より自分に厳しくしなければならないが…。

また、ミスをしたならそれを修復しなけらばならないので、会社に迷惑をかけられないという気持ちも働くだろう。これはもしかすると失敗が大きいほど、真面目な性格の持ち主ほど、言い出しにくいものなのかもしれない。

組織風土づくり

企業・組織として出来ることは、自己意識を高めるという個人まかせの精神論を浸透されるだけでは不十分であり、社員または下請け会社に対して安心して仕事をしてもらうという風土を作ることも大切なのではないだろうか。心理的な安全ネットがあることによって、それぞれがおびえずに仕事ができ透明性が高まる。

会社が何を評価するかで社員の行動は変わる。

売上げを評価するならば社員は売上げを最優先する。利益を評価するならば、社員はコストを削ろうとする。だが、それだけでは上手くいかないことは周知のことだ。

決してミスを歓迎するのではないが、ミスを報告したことに対してはその心を評価する。そういうしくみづくり、風土づくりが結果良い商品につながっていくのではないだろうか。

同時に古臭いようだが、コミュニケーションをはかりお互いを理解することも、会社として推進すべき要素だ。

仕事は性善説を疑ってする

仕事を管理するというハードの面では、もちろんミスを漏らさないという仕組みづくりが必要である。ある意味、性善説を疑ってチェックしなければならない。

「だろう運転」と同じで、盲目的に信頼することは事故につながる。重要ポイントはきちんと確認することこそが管理の価値である。

しかし、誰しも疑って確認されることは気持ちの良いものではない。仕事は仕事とし、仕事を離れたらノーサイドでコミュニケーションを深める。そういった気持ちの切り替えと人間関係の形成も忘れてはならない。

注文住宅に置き換える

今回の事例は、戸建ての個人住宅にも置き換えることができる。大規模マンションと規模の違いはあれ、施工する構造・人間の行動心理は同じだからだ。

  • 元請け(住宅メーカー)が全体をきちんと管理しているか?
  • バックアップ体制が仕組みとしてできているか?
  • 会社は社員の何を評価しているのか?
  • 社員がミスを言い出せる風土があるのか?

住宅メーカーを選ぶ際、見た目と価格に目が行きがちだが、後になって本当に大切だったと思えることはその住宅メーカーの中身にある。

家を建てる側も自己防衛をし、それこそ性善説に頼らない住宅選びが必要である。

住宅選びで大切なポイントについては、家づくりで大切なことをご覧下さい。

家づくりで大切なこと

新築住宅・注文住宅で失敗しないために
住宅選びには様々な比較要素があります。
デザインや会社の印象だけでなく、しっかりと「中身」を見極め選択すること、適切に比較することが失敗しない家づくりにつながります。
注文住宅,比較 失敗しない家づくり

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