宅建業法改正でインスペクションが広がる

宅建業法,インスペクション

宅建業法の改正ー既存住宅の流通促進、市場環境の整備

2016年、既存住宅の流通の促進を図るための市場環境の整備を促進するため、宅地建物取引業法の一部を改正する法律が公布されました。

既存建物の取引におけるインスペクション情報提供の義務化

その中で次の3つの事項がインスペクションに関し宅地建物取引業者に対し義務付けられることとなっています。

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媒介契約の締結時に建物状況調査(インスペクションのこと)を実施する者のあっせんに関する事項を記載した書面の依頼者への交付

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不動産業者(宅地建物取引業者)を介して建物を購入する契約(媒介契約)をした際に、インスペクション会社のあっせんに関する事項を記載した書面を、購入者側に渡しなさいということです。

インスペクションという住宅サービスは、まだ一般の方に認知度が低い状況にあります。そして既存住宅についての販売情報は、ごく限られた一般的な事項しか説明されていないのが現状です。つまり既存住宅などの購入者にとってその住宅の状態を知る方法が認知されていないということです。

そのような住宅購入希望者の情報的に不利な立場を解消するため、プロである不動産業者はその情報入手の手段を提供しなさいという通達です。

このことにより既存住宅購入希望者は、販売住宅の状態を知るインスペクションという方法とサービス提供事業者を知ることができ、安心して既存住宅を購入できる一つの判断材料を手に入れることができるようになります。

インスペクション

ただし、インスペクションを行うインスペクターには第三者性が不可欠(後述)です。つまり、不動産業者が紹介あっせんするインスペクターに透明性があるか、ということです。

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買主等に対して建物状況調査(インスペクションのこと)の結果の概要等を重要事項として説明

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不動産業者(宅地建物取引業者)が土地や建物を販売する場合、購入者に対しその物件の重要事項を文書によって説明しなければなりません。この書類は「重要事項説明書」と呼ばれています。

今後はその説明すべき重要事項の中に「建物状況調査(住宅診断、ホームインスペクション)の結果の概要」を記載することになります。

もし事前にインスペクションがなされているならば、その情報が記載されていれば購入者も安心してその住宅を検討することができます。

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売買等の契約の成立時に建物の状況について当事者の双方が確認した事項を記載した書面の交付

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利害関係が発生するどんな場合でも、「言った言わない」のトラブルが発生する可能性があります。不動産という高額かつ多くの要素が含まれる商品では尚更のことです。

そんなトラブルを回避するために、事前にお互い分かっている要素(不具合またはその可能性)については文書にしておきましょうということです。

双方勘違いというものもありますので、文書にしておけば嫌な思いをする可能性は当然減るはずです。

参考:宅地建物取引業法の一部を改正する法律案

インスペクション制度の定着により、日本の中古住宅市場が成熟することが期待されます。

インスペクター・インスペクションには第三者性が不可欠です

宅建業法の改正により、不動産業者はインスペクターに関する情報を購入希望者に告知するようになる、とお伝えしました。

このことについては若干注意が必要です。それは何故かと言えば、「不動産業者が紹介あっせんするインスペクターに透明性があるか」という問題があるからです。不動産業者とインスペクターの癒着が心配される点です。

ホームインスペクションガイドライン

インスペクターの第三者性については、国交省が発表している「ホームインスペクションガイドライン」にも遵守すべき事項として「客観性・中立性の確保」が謳われています。

この条件が失われてしまっては、インスペクションそのものの信憑性も無くなってしまいます。

海外の中古住宅市場は日本よりもずっと先を進んでおり、インスペクションの仕組みも当然のように取り入れられています。

そこで、この重要な「インスペクターの第三者性」について海外の事例をご紹介します。

(日本ホームインスペクター協会  長嶋理事長より)

インスペクターの紹介に関する海外の事例

アメリカの場合

  • インスペクションを行う民間団体が発展していて、大きく4つのインスペクター協会がある。
  • 不動産業者とインスペクターの癒着を防止するため、不動産業者がインスペクターを紹介することを禁止する州が増えている。
  • 紹介は認めるが、複数人のリストの提示を求めている州もある。

つまり、買主が自分で選んだインスペクターに依頼することが大事だ、ということです。

オーストラリアの場合

  • 不動産業者とインスペクターの癒着が社会問題になっており、買主が自分でインスペクターを選ぶという構図になっている。
  • 「インスペクターの選び方」についての掲示板もあるが、「自分で選ぶことが大事」という回答が繰り返されている。

国が違えど客観性・第三者性は原則であり、それがインスペクターに求められる資質だとされています。

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