筑波学園ガスのショールームで調理体験をしてきました。
いまどきのガスコンロとIH調理器を同時に使っての調理比較や、最新のガス機器のレクチャーを受けてきましたのでレポートします。
知らなかったこと、「へぇー」がたくさんありました。
ガスコンロで調理
まずは新型のガスコンロの説明です。
ご自宅でご使用中の方、住宅メーカーや住宅設備メーカー・キッチンメーカーのショールームなどで見たことがある方はご存知かと思いますが、現在のガスコンロは従来と違い天板がフラットのタイプが多くなっています。
材質は強化ガラス・アルミ板などです。
掃除のしやすさ
IH調理器は完全に出っ張りが無く掃除もしやすそうですが、ガスコンロも負けてはいません。五徳も簡単に外して洗えます。
毎日料理をされる主婦の方には、これが一番ありがたいのではないでしょうか。
スッキリしたデザイン
天板部分もそうですが、前面のコントロールパネルもスッキリと平面に納まっています。
つまみボタンは押すと出てきます。昔のように「ガチッ」と点火するイメージではありません。スマートです。
安全性が高くなっている
ガス・火は危ないという意識がありますが、センサーが付いていることで安全性が高くなっています。
2008年からコンロの全口にセンサーが付いている(Siセンサーコンロと呼ぶ)そうです。知りませんでした…。
- 五徳の中央に小さな突起があります。これで鍋の有り無しを感知し、鍋が無いと火がつきません。
- 立ち消えや消し忘れも感知するので安心です。
- 火力も温度設定で管理、高温センサーも付いています。
ピピッとコンロ は調理がしやすい
温度センサーのおかげで火力調整が必要な料理も簡単にできるようになっています。
この日はご飯を炊きました。20分ほどで炊き上がるので電気炊飯器より早くできます。
ガラス蓋で調理すると炊ける様子が見られてちょっとおもしろいです。そして美味しく炊けそうですね。
グリルがおすすめ
ショールームの方もおすすめで、私もいいなぁと思ったのがグリルの使い勝手です。
今のタイプはサイズも大きく従来必要だった水入れも不要で、両面焼きができるとのことでした。
魚を焼くだけしか使っていないと話したら、「もったいない。ニオイが付かない構造なので他のものを焼いても心配はありませんよ」と言われました。
とんかつも揚げるのではなく、グリルで調理すればカロリーの少ない「焼きとんかつ」になるそうです。
グリドルとしてダッチオーブンなどが使える
特に深さがあるので、薄型のココットはもちろん、高さのあるダッチオーブンも入ります。鋳物ではなくアルミ製のものが軽くて人気だそうです。
料理の巾が一段と広がり、しかも美味しくなります。ピザやグラタン、煮物、パンを焼くときにも使えます。
また、グリル部は分解でき、掃除がしやすくなっています。正式にはグリドルという調理法に分類されるようです。
- ガスグリドル:直火で加熱したプレートからの伝導熱で調理する機器(下火コンロバーナーがある)
- ガスグリル:直火による放射熱で調理する機器
- ガスオーブン:直火によらず暖められた対流熱で調理する機器
IH調理器と湯沸し比較実験
IH調理器は新築で建てた家、リフォームをしたお宅で随分普及しました。
特徴は天板が完全にフラットでスッキリしており、そのため掃除がしやすいことです。火としては直接出ませんので、熱で調理する感覚です。
もちろんセンサーが付いており、温度設定機能もあります。
上記のようなメリットがあるので、ガスコンロと甲乙を付けるのは難しいですが、特徴には違いがあります。実際の比較実験を見てきました。
調理能力に限度がある
電気の規定上、1口の最高出力は3kw、合計で5.8kwになっています。
つまり、3kwの出力部が二つあった場合、同時にフルパワーでは調理できないということです。また、電力はグリルで優先的に使われるようになっています。
鍋の材質によってお湯の沸き方が違う
鉄だけでなくアルミや銅鍋でも使えるオールメタル対応のものが増えましたが、実は材質によってお湯の沸き方が違うのです。
右がステンレス、左がアルミのフライパンです。ステンレスの方が早くお湯が沸きます。アルミは熱を逃がす力が強いので、温まりにくい為です。
そしてよく見ると、沸騰している部分が下部調理機器の反応部分に応じて丸くなっているのが見て取れます。つまり、熱くなるのはその部分だということです。
ガスコンロの場合は、炎が調理器全体を包み込むので、鍋全体が熱くなる感じです。
温度は目に見えないので、サーモグラフィーにより可視化する工夫もされています。
湯気は集中せず分散する
湯気が多く出て周囲に広がりがちなのも特徴です。これは熱が調理器接点でしか発生せず、調理器周囲の空気が熱くなりにくいせいで起こることです。
煙や臭いも同じで上に上がりにくいため、レンジフードはIH機器に対応する吸い込み・排気能力があるものを使うようになります。
ガスコンロの場合は、炎により上昇気流が生まれるので湯気ができにくく、レンジフードに集まりやすくなります。
調理方法の違い・工夫
鍋の側面・立ち上がり部分は熱くなりにくいので、焼くまたは炒める調理をする時も具材をなるべく底面に押し付けるような感じになります。
逆に直接火が出ないので、飛び散った油汚れのこびりつきが少ないとも言えます。掃除が楽だということです。
IH調理器で気をつけたいこと
とてもきれいに使えるIH調理器ですが、気を付けないといけないことがあります。それは、いくら火が出ないといっても調理した後は高温になるということです。
鍋を外した後は、水をたらすとすぐ蒸発するくらい高温ですので、やけどの危険があります。
また、場合によっては可燃物が燃焼温度まで上昇し炎を出すこともあります。このことには十分注意しましょう。
調理実験で料理の出来具合を比較
ガスコンロとIH調理器で調理比較実験もしました。この日は、双方のグリルで鶏肉を焼いてみました。
初めに調理時間を9分に設定し、焼き加減を見ました。結果は下の通りです。
左がガスグリルでこんがりきれいに焼けていますが、右のIHグリルではもう少し焼いた方が良さそうでしたので、IH側だけもう7分追加加熱しました(計16分)。
そして完成。ガスで炊いたご飯と共に美味しくいただきました。左がガスで、右がIHで調理した鶏肉です。
味はもちろん同じですが、やはり皮のパリパリ感はガスに分がありました。直火か熱かの違いでしょう。
実は温度も違い、IHでは約300℃、ガスでは約400℃で、100℃程の差があるとのことです。これはガスオーブンより高い温度です。
設置に要するコスト
機器代の違いはもちろんですが、設置に関して必要な工事も異なります。
- ガスコンロ - 電源は乾電池だけで良いタイプがあります。ガスの配管工事が必要です。
- IH調理器 - 200ボルトの電源、専用のコンセントが必要です。
ガスコンロとIH調理器のどちらが良いか?
ガス会社のショールームにお伺いしたので、レポートがガスコンロよりになってしまいましたが、双方にメリット・デメリットがあります。どちらが良い悪いではなく、それぞれの特徴を理解した上で、使い方に応じ選ぶことが良さそうです。
筑波学園ガスのショールームではこのような調理体験が無料で受けられます(要予約)。ガスコンロも多く展示されていますので、調理機器を検討中の方は、一度行かれてみてはいかがでしょうか。
また、月に7~8回料理教室も開催されています。本格的な料理が作れると人気が高いので、早めの予約をおすすめします。
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