木造住宅の標準的な建て方として在来工法と呼ばれる建て方があります。
在来工法は、垂直部材である柱と土台や梁・桁などの横架材を組んで建てていきます。
建てる手順としても雨の多い日本に適していると言えますが、2×4工法や近年増えている根太レス(剛床)工法の場合は、上棟までの雨に注意が必要です。
在来工法の建て方手順
雨を考慮し、まずは屋根を
土台 → 柱・梁桁 → 小屋(屋根)→ 床組み(床合板)という順番です。
建物の建て入れ(垂直方向の傾き)だけ直してしまえば、まず小屋組み・屋根組をし、建物が雨に濡れる前に屋根をかけてしまいます。
建て方時(棟上げ時)にも足元は仮足場のみなので、ケガ・事故に対しては注意が必要ですが、床下地板は無いので汚してしまうことはありません。
雨が多い日本においては理にかなった建て方手順です。
屋根が落ち着いてから床組みをします。床下地板を載せるために細かに配置した部材を「根太」と呼びます。
根太レス(剛床)工法の建て方手順
在来工法の一種ですが、床組みに根太を使わないタイプを「根太レス(剛床)工法」と呼びます。
なぜ根太を無くすことができるかというと、使用する床下時合板の厚さを厚くするからです。(通常12.5㎜ → 24㎜以上)
根太レス(剛床)工法のメリットとしては、根太を施工する作業コストを削減できるほか、床合板を柱よりも先に敷くことができるという点です。
土台・床組み(床合板)→ 柱・梁桁 → 小屋(屋根)という手順です。
これは、建て方時(棟上げ時)の作業効率・安全性を高めることにもなります。
しかし逆に、床組み時から屋根がかかるまで床合板をしっかり養生しておかないと、雨に濡れてしまう恐れがあるということです。
木材が長期間雨に濡れているとシミになります。場合によってはカビの発生にもつながります。
完璧な雨水養生はなかなか難しいものです。完全に乾いてしまえば問題ないと言われても、あまり気持ちの良いものではありません。
根太レス(剛床)工法の住宅を選ぶことによって、コストダウンが住宅価格に反映されることもあるでしょうが、反対の面があること覚悟しておかくてはなりません。
この建物は床木材の含水率を測り、完全に乾いていることを確認するということで、建て主さんの理解を得ました。
2×4工法の建て方手順
2×4工法の場合は、屋根がかかるまでにさらに時間がかかります。
土台・床組み(床合板)→ 1階柱・梁桁 → 2階床 → 2階柱・梁桁 → 小屋(屋根)という手順だからです。
進捗状況に応じて1階の床養生だけでなく、2階の床も養生しなければなりません。
構造的に安定し、気密性も確保しやすいというメリットはありますが、建て方としては注意しなければならない面があります。
建物の施工がおかしいと思ったら
家の工事が始まれば当然気になります。見に行くこともあるでしょう。
そんな時、工事の状況がおかしい、現場が散らかっているなど気が付いたことがあったら、すぐハウスメーカー・工事担当者に聞くことです。
説明に納得できなかったら、
- どの施工基準に従って施工しているのか
- 何かあった場合の保証について
を確認しておきましょう。
施工基準書は、フラット35などの住宅ローンによるものや住宅瑕疵担保責任保険によるものなどがあります。
それでも住宅メーカー工事に不安がある場合は
工事中の不安やトラブルをサポートするサービスを提供しております。
新築住宅インスペクションのページまたは、メールフォームからご相談ください。
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