注文住宅を比較・選択する切り口は様々です。少し掘り下げてみましょう。あなたの注文住宅メーカー選びの基準は何でしょうか?
- モノ(商品)で選ぶ
- 人(人間性)で選ぶ
- 会社(システム・体制)で選ぶ
これら3つの観点で詳しく見てみます。
モノ(商品)で選ぶ
住宅の仕様(性能・品質)は多様な項目に分けられ、全体の評価をするには一つずつ確認していくことが必要になります。
耐震性・耐久性による構造面、断熱性・シックハウス対策による環境面など、数値で判別できる項目もあります。しかし、設計で決まる部分(使い勝手・住み心地など)は独自に評価しなければなりません。デザインも家に対する愛着につながるので大事な要素です。
これらの評価基準は、人それぞれの価値観に伴い異なります。
価値観に合わせてコスト配分
ご家庭によって価値観・ライフスタイルが異なるわけですから、それに応じて各項目にかけるコストのバランスが決まり、全体的なコストと調整したうえで仕様が決定します。
理解するまで確認する
商品の工法にその会社独自のネーミングが付けられている場合もよくあります。そうすると他とどう比較してよいか分かりにくくなってしまいますよね。
△△工法、〇〇システムなど、「よく分からないけどなんとなく良さそう」 ということで選んでしまう方もいらっしゃいます。
自分の持ち物になり、しかも長い間生活基盤となる住まいですから、性能・品質について十分な理解がないまま決めてしまうことは、避けたほうが良いでしょう。
家づくりは見えない部分が大半を占める商品です。これから作るものなのでなおさらです。分からないことは曖昧にせず分かるまで説明を求めましょう。
餅は餅屋に頼む
オールラウンドプレーヤーである住宅メーカーはありません。
大きい企業ほど自由度に規制があります。地域ビルダーでも扱える注文住宅には範囲・得意不得意があります。
「何でもできます」は「それなりにこなします」という意味と受け取った方が良いでしょう。
本当に責任ある会社ならば、できない仕事は請けません。(ただし、チャレンジ精神のある地域ビルダーもあります。)
その場合は相手と良く話をしてみて「この会社なら信じられる」と感じた場合に限り頼むようにしましょう。
人(人間性)で選ぶ
企業は人で出来ている
大手であろうと数人の企業であろうと、結局は最小単位である個人の誰かがその業務をとり行います。
図面などによりはっきりした指示事項があれば、ある程度同じような住宅はできてしまいます。しかし、よく見れば出来ばえ百社百様、人が作るものですので当然のことです。
担当者はどんな人物か?
まず窓口になるのは住宅展示場にしろ見学会にしろ?「営業マン」です。
日本には「出会い」や「縁」という素敵な言葉があります。「誠実そうでとても印象が良かったのでお願いすることにした」という方もおられるようです。
どんな人が自分の家を作ってくれるのか、担当になる人の能力を確認することはもちろん、「想い」をよく聞き人間性を見ることが大切でしょう。責任感がある人間かどうかが重要なポイントです。
ただし、企業は営業部門が全てではありません。家を建てるには、設計部門と工事部門の力が必要です。営業の「想い」があってもそれが実行されなければ具体化されません。営業部門または担当者の社内影響力も意識して見ておくようにしましょう。
信頼関係のずれはストレスにつながる
逆に「相性」というものもあります。いくら商品が気に入ってもそりの合わない人とはうまくいきません。
また、経験の少ない実務に慣れていない人間(アマチュア)があなたの家を担当する可能性も十分ありうる話です。
この場合は、きちんとサポート体制が取られているか念を押すことです。時には担当者を変えてもらうことも必要でしょう。(美容室でさえ担当が指名できるわけですから)
会社(システム・体制)で選ぶ
どういう方針で家づくをしているのか、サポート体制を含めて確認することは、引渡し後のアフターサービスにも関係しますので大事です。
理念などの曖昧な言葉だけでなく、具体的な行動指針を確認しましょう。
品質管理が重要
注文住宅は、必ず現場での作業をともなう製品ですので、プロセスがとても大切になります。建物のデザインのように目に見えるものではなく、見落としがちであり要注意です。
どういう家が出来るかは、ココが大きな鍵です。
手順書があるか、品質基準はあるか、チェック体制はどうなっているのか、確認しておきましょう。計画を評価することが重要です。
社内システムを確認する
「人が大事」であると前述しましたが、それにも限界があります。個人が努力してもチームのサポートが得られない、会社が評価しない、では長続きするはずがありません。
会社が社員の何を評価しているかにより、出来上がるモノ(家)とサービスが変わってきます。これは非常に重要なポイントです。
また、「担当者により出来上がるものが大きく違ってしまう」。そんなことがあっては商品を選んだ意味がありません。誰が担当しても基準以上の製品が出来上がる。そのフォローをするのが会社の役目であり責任です。
「担当者しか分からない」というのも困った話です。心理的なイライラにもつながります。
これらの仕事を管理するするシステムが整っているでしょうか?
居住後のメンテナンス
建物完成後も、外部は雨風と太陽光という過酷な環境にさらされており、室内は居住者が生活することにより、必ずメンテナンスが必要な製品です。
身近に「町医者」が必要なように、家には「ホームドクター」「家守り」が必要です。
人財が揃っているか
企業には層の厚さが必要です。
これから作る工事作業の中には何らか問題が発生することは十分に考えられます。事務的にも同様のことが言えます。
いざという時に対処できるかどうかは、どれだけ人財を抱えているか、要するにどんな人がいるかが企業の力と言って良いかもしれません。
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