日本の住宅の多くは木造で建てられています。そして日本は雨・湿気の多い国です。
木材は水気・湿気による腐食、その先にはシロアリの食害の可能性もあります。そのため木造住宅では、雨水などの浸入防止対策がなされています。
土台もその箇所の一部であり、土台水切りという部材で雨水の浸入が防止されています。
土台水切りが正しく施工されていない
新築住宅の現場施工確認(新築住宅インスペクション)をした際の事例です。
大事な役割を担っている土台水切りですが、施工する会社・人によって取付け位置がまちまちで、正しく施工されていないことがあるのです。
上の写真は、ある現場の土台水切り施工前の状況ですが、外壁の防水シート(白いシート)と縦方向の外壁下地材(胴縁と呼ぶ木材)が施工されてしまっています。
胴縁の厚み部分が外壁の通気層で、基礎コンクリートの上部に見えるスリット上の部材は、床下空間への通気口です。
この状態では、胴縁の外側に水切りが取り付けられることになります。
つまり、万が一外壁の裏側に雨水が入ってしまった場合、防水シートを伝って土台に水が回る可能性がある、ということです。
正しい土台水切りの施工例
土台水切りの取付け位置について書かれたマニュアルはいくつかありますが、タイベックという著名な透湿防水シートを作っているメーカーのものを見ると
悪い例-土台水切りが胴縁・透湿防水シートの外側にある。
良い例-土台水切りが胴縁・透湿防水シートの内側にある。
とされています。
正しく施工されていないことによる弊害
前記の施工方法による弊害もあります。
土台水切りを施工する時期が遅くなるので、取付けまでの間、床下通気口から雨水が浸入してしまう可能性があるということです。
雨はシトシト降るだけではありません。風があれば吹き込んできます。
そういう意味でも土台水切りを先に取付け、早めに雨水の浸入を防いだ方が良いのです。
この現場では応急処置として、大工さんがテープで仮に塞いだそうです。
建物の施工がおかしいと思ったら
家の工事が始まれば当然気になります。見に行くこともあるでしょう。
そんな時、工事の状況がおかしい、現場が散らかっているなど気が付いたことがあったら、すぐハウスメーカー・工事担当者に聞くことです。
説明に納得できなかったら、
- どの施工基準に従って施工しているのか
- 何かあった場合の保証について
を確認しておきましょう。
施工基準書は、フラット35などの住宅ローンによるものや住宅瑕疵担保責任保険によるものなどがあります。
それでも住宅メーカーの工事に不安がある場合は
工事中の不安やトラブルをサポートするサービスを提供しております。
新築住宅インスペクションのページまたは、メールフォームからご相談ください。
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