地域工務店・ビルダーの価値を再評価する

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ハウスメーカーより施工棟数の少ない、施工地域が限られる住宅メーカーは、「工務店」(最近では「ホームビルダー(又は単にビルダー)」)と呼ばれています。

地域でブランド化が成功し、業績を伸ばしている「中堅ビルダー」がある一方、手がける住宅の数は少ないが堅実に活動している工務店もあります。

個人の大工さんは、従来は家一棟を丸ごと請け負う請負工事業でしたが、今では新築住宅を直接受注するケースは稀で、工務店・ビルダーから木工事のみを受け持つ専門工事業になっています。

地域工務店・ビルダーの分類

地域工務店・ビルダーの価値

意外な市場占有率

ハウスメーカーの戸建て住宅全体に対するシェアは、13.8%

(平成24年、プレハブ住宅・戸建)

一見圧倒的に思えるハウスメーカーのシェアですが、実はこれだけしかないのです。

逆に年間施工棟数が100棟未満の会社が全体のシェアの半分近くを、会社数では施工棟数10棟未満の会社が業界の8割を占めています。

このことは住宅業界が、自動車や家電製品、その他一般用品のように、トップメーカー数社がシェアを占有しているのではなく、零細企業から年間1000棟以上施工する大企業まで混在していることを表しています。

これだけの会社があれば、当然そこには建築に対する考え方やポリシーの違いがあり、技術力・品質にもばらつきがあります。お客様に対応する方針も各社まちまちです。

地域工務店・ビルダーの存在理由/価値

データが示すとおり、今なお地域の工務店・ビルダーは活躍しています。それはやはり、家を建てる人にとって、施工する人が近くにいるということが安心につながっているからでしょう。

そしてそのことが近所の大工さんがいる地域の工務店・ビルダーが必要とされ、存在し続けている理由なのではないでしょうか?

大手ハウスメーカーがどんなに優れた商品を作ろうと、地域中小ビルダーを完全に圧倒することはできないでしょう。そもそもそんな商品が作れないことは、はっきりした理由は無くても誰もが感覚的に感じていることです。

また、住宅は経年劣化をしていきますので、必ずメンテナンスが必要になります。身近に「町医者」があるように、家には「ホームドクター」「家守り」が必要です。

地域工務店・ビルダーの特徴

地域ビルダーでは、広告宣伝費・人件費が少ない分、概して安く家が建てられます。宣伝が得意でないため、いい家を建てるが知られていない、商品がブランド化されていない、評価されていないという側面があります。

反面、ウィークポイントがあることも事実です。小さい企業(の社員)ほど複数の分野の仕事をかけもちでやらざるを得ず、専門化できていないのが正直なところでしょう。

しかし、おいしい食べ物が日本各地にあるように、素晴らしい住宅・家づくりもあちこちにあります。

地域には、小さくてもあなたの希望をかなえてくれる、個性的で魅力的な家、センスの良いデザインの家を建てているポテンシャルの高いメーカーは必ずあります。

そんなに多くの家を建てていなくても、こだわりを持って丁寧に家を建てている、そんな会社は建てる方にとっては嬉しい存在です。意外な強みを持っているいるかもしれません。

安心で手頃な価格での家づくりは、やはり地域の工務店・ビルダーなしでは語れませんが、如何せん会社の数が多いので、自分達に相応しい注文住宅メーカーを探し出すこと、そして比較することにはある程度の時間と労力・根気が必要になります。

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