遮熱 ― 家に入ってくる熱を外皮で遮る

遮熱,熱を遮る

夏涼しく、冬暖かく過ごすための建材のお話です。

外からの熱を入れないため、室内の熱を逃がさないため、住宅にはどんな素材であれ断熱材が使われています。これは熱を伝えにくくする材料です。

実は、熱の伝わり方は3通りあります。断熱を知るためには、まずこの伝わり方のしくみを知る必要があります。

熱の伝わり方

伝導

モノを伝わってくる熱です。これを防ぐのが上記の断熱材です。しかし、熱の伝わりのわずか10%でしかありません。

対流

空気を介して伝わる熱です。暑い(冷たい)風が入ることで伝わります。隙間風があるとまずいですね。それでも熱の伝わり全体の15%です。

輻射

熱の伝わり方の実に75%を占めます。暖まった物体から発せられる熱線のことです。

家の場合は、屋根や外壁が暑くなってしまうと室内に熱が伝わってしまいます。

断熱という方法では限度があり、むしろ家の各箇所に熱を持たせないことの方が効果的です。

遮熱という考え方

この輻射を防ぐため近年、遮熱という方法が取られるようになっています。

建材としては数年前から遮熱シートという材料が使われています。熱をはね返すシートで、外壁の下地や天井裏に施工します。

夏は外からの熱をはじき、冬は室内の熱が逃げるのを防ぎます。

いくつかのメーカーから製品が出ていますが、デュポンのタイベックシルバーは保証がしっかりしており、対比すると2℃~8℃の効果があるとされています。一般の透湿シートと比べると割高ですが、永く住む家ですからこういう基本性能にお金をかけることは大切です。

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