無垢の柱材に印字してある等級の意味
無垢の柱材を見てみると、「特一等」「一上小」「一ム」などと印字されています。
これらが木材の等級ですが、見た目の良さを表したもので強度を表したものではありません。そして、この等級には「JAS基準」と「慣例的」なものが混在しています。
何故かと言うと、実は無垢材を製材している工場の多くがJASの認定を受けておらず、市場に出回っている木材の多くが「JAS規格以外の木材」であるからです。
慣例的な木材等級
二等・一等・特一等
節や丸みがあるいわゆる並材です。
通常、構造材(土台・柱・梁など)や下地材(間柱・垂木・根太など)の隠れてしまう部分に一等材、特一等材が使われます。二等材は住宅にはまず使われません。
特一等と聞くと最上級のように感じますが、並材の中で最上位という意味です。勘違いしてしまいますよね。私も業界に入ってから知りました。
JAS規格の木材等級
小節・上小節・無節
「役物、化粧材」と言われ、目に見える(化粧)部分に使われる木材です。JASの造作用製材の基準としても定められた等級です。
節の程度は、小節 → 上小節 → 無節の順に少なく(無く)なります。
さらに上小節・無節は木材の1面ごとに評価され、1面上小節(一上小)、2面上小節(二上小)、3面無節(三ム)、4面無節(四ム)などと表示されます。
節の有り無し
これらの化粧材は製材のままではなく、きれいに仕上げて(削って)から使用されます。真壁造りの柱など、木材の見える面の数に応じて選んで使われます。
しかし、近年ではコスト削減のため、そしてデザイン志向の変化により真壁造りの家が減り、役物材の使用は減っています。また、「節があってもいいんじゃない」という考えの方が増えたことにより、一概に節が無い方が良いとは言い切れなくなってきています。
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