屋根の寿命と住み心地を左右する建材

透湿する屋根

屋根は陽射しと雨を避けるためにあるのは当然ですが、単純にそれだけではありません。

例えば茅葺き屋根では、屋根材が含んだ水蒸気が蒸発する時に熱も奪っていきます(気化熱)。そのため夏の室内の涼しさに一役買っているのです。

そして現代では、屋根の寿命を延ばし、住み心地を向上させる建材が出回っています。

生活湿気の発生と影響

室内では人間が生活していく中で、呼吸や調理・給湯などにより湿気(水蒸気)が発生します。そのため一部の時期を除き、室内の湿度は屋外よりも高くなりがちです。

湿気は湿度の低い方へ向かう性質があるので、外に逃げようとします。その時、湿気が何かに阻害されて逃げられないと、そこで結露する可能性があります。合羽を着て汗をかくようなものです。

結露がひどくなると、家に使われている木材などの腐食につながり、建物は劣化していきます。

透湿ルーフィング

屋根では材料が瓦であれ金属材であれ、その下にはスギ板や合板などの下地材があり、さらに防水用のシートを張っています。このシートをルーフィング材と言い、従来はアスファルトルーフィングという素材がほとんどでした。

しかし、この素材は水を通さない反面、湿気も通しません。そのため、室内から発生した湿気が木材である下地材の部分で結露し、腐食につながるという結果につながっていました。

この流れを改善するのが、湿気を逃がす「透湿」ルーフィング材です。

従来の建材に比べ価格は高くなりますが、屋根の寿命を考えれば安いものです。住まいの寿命を考える場合、湿気対策は非常に大切です。

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熱を遮る機能

さらに一歩進んだ考えとして、この透湿ルーフィングに熱を跳ね返す「遮熱」の機能を付け加えた商品も出ています。

熱の伝わりは「輻射」によるものが75%を占め、この「輻射熱」には屋根が太陽に照らされて出す熱も含まれます。特に夏場は太陽の高度が真上に近くなり、受ける熱の影響も大きくなります。しかも近年猛暑日が増え、住宅の熱環境は厳しくなる一方です。家は一生モノですから、どうせ建てるならここまで考えて建てたいものです。

遮熱についての記事も併せてお読み下さい。

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